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写俳日記(写真俳句) 写真と俳句のいい関係

枯園

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写真は数年前のフランスのヴェルサイユ宮殿の庭です。
冬の庭園はまさしく枯園でした。

緑豊かな季節はきっと美しいことでしょう。

句の作者の真鍋さんは

   「枯園の秘めたるものを愛しめり」

とよまれました。これからは真鍋さんの言葉です。
 
「と、いうのは、上五を「や」で切りますと、中・下とのつながりが希薄になり、且つ、句意も分りにくく、私の意図する通りには、解釈されないのでは、と思ったのです。

私の詠みたかった事は、「枯園のような殺伐としたものの中にも、実は秘めたるもの、即ち春への命がしっかりと抱きしめられている・・・見えないけれど、そのけなげな息づき・春への予感を、私は愛するのだ、と詠みたかったのです。

切字の「や」は、軽く切れて、~の と下へつながってゆく働きの場合もあるのですが、この句で「や」を使うと、強く切れる感じになってしまうので、書き改めたのでした。」

ということでしたが、私がうっかり訂正せずに写俳にしてしまいました。

が、後日下記のようなお言葉をいただきました。

「もう一度、写俳を見ていたら、「枯園や」と切字のままでも、先のメールに書いたような私の解釈の意図は、伝わるのでは、という気がしてきました。
「の」の方が確かに分り易いけど、今の形では、切字の働きで、句がしゃきっとしますね。」

というわけでこのままにいたします。

「枯園や秘めたるものを愛しめり 郁子句」

by shahai | 2007-11-15 14:20 | 冬の写俳
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